不妊治療について(男性)
妊娠を妨げる男性不妊のほとんどが、精子の運動率が悪かったり、精子の数が少なかったりなどの精子のトラブルによる不妊症です。そのため、病院での不妊治療としては、この精子を元気にすることが重要となってきます。
テストステロンによる不妊治療
ステロイドホルモン(男性ホルモン)の一種であるテストステロンを投与する不妊治療です。このホルモンを投与すると、一時的に精子の数が減りますが、その後、投与を中止すると精子の数が増えることがあります。その作用を利用した不妊治療です。また、テストステロンの精神的な作用としては、活力やエネルギッシュ、性欲増進といった、生きることへのポジティブな作用があると言われています。
ただ、テストステロン療法による不妊治療は、まだまだ研究段階の不妊治療です。あまり長期間続けると、まれに造精機能を悪くすることがあるので注意が必要となってきます。また、このようなホルモン投与による不妊治療には、ごく稀に副作用が起きる場合がありますので、お医者様としっかりと相談されてください。
性腺刺激ホルモンによる不妊治療
性腺刺激ホルモンによる不妊治療の説明の前に、まず、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)についてですが、これは卵巣や精巣に働きかける糖たんぱく質のホルモンで、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の2種類があり、下垂体前葉から分泌されます。男性の造精機能は、脳の中にある脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンによって活発化しますので、この特徴を利用して、ホルモンを補って精子の造精機能を高めようと言う不妊治療です。おもにクロミフェンやhCG、hMGなどを使用して不妊治療を行います。
精索静脈瘤の不妊治療
精索静脈瘤という不妊症は、精子を運ぶ精管の回りにある静脈が拡張して血液の循環が悪くなり、造精機能が妨げられて不妊となっている状態です。この精索静脈瘤は、普通の健康な青年男性の約1割程度に認められるのに対して、不妊症にお悩みの方では、約2~3割と多くに認められます。
さらに、精索静脈瘤の程度によっては精巣容積が減少してしまったりする場合があり、不妊への影響も大きくなってきます。また、この精索静脈瘤による不妊は意外と多く、男性不妊の原因の3割近くを占めるといわれています。この場合の不妊治療としては、開腹または内視鏡下で拡張した血管を結紮(しばる)する低位・高位結紮術、経皮的塞栓術、腹腔鏡下手術などの不妊治療があります。
精管通過障害などの不妊治療
精管通過障害による不妊は、精子が射精されるときに何らかの障害があって、うまく射精できないという不妊症です。このような精管通過障害などの不妊治療としては、精子の通過性を良くするために、閉塞している部分を切り取って再びつなぎ合わせるという不妊治療があります。また、このような場合の不妊治療は非常に繊細ですので、顕微鏡下での手術になります。
ただし、精管が閉鎖してしまった状態が長く続いてしまった場合、精子そのものをつくる能力が低下していることも多くあり、不妊治療を行っても精子が増えないことがあります。そのため、これらの手術は精子が十分に生産されていることを確認してから行います。
停留睾丸などの不妊症
これは、ちょっと番外編 (お子様の病気) になりますが、本来、陰のうの中に降りているはずの睾丸が、何らかの原因でお腹の中に留まっている状態を停留睾丸と言い、将来的に赴任になってしまう場合があります。この治療法としては、お腹にある睾丸を、手術によって陰のうに降ろすという治療を行います。
ただ、6歳頃まで停留した状態でおくと、精祖細胞は極端に減少するか、ほとんどなくなってしまい睾丸の造精子機能が失われて不妊となる可能性が非常に高いので、子供のうちに早めに治療することが大切です。
不妊治療を頑張って、妊娠しよう!
ご紹介した不妊治療の多くが、手術が必要となってくる治療ですが、こうなってくると男性側としては 「 カテーテルを挿入する!? 切る!? ちょっと、まて・・・ 」と思われる方が、大勢いらっしゃると思います。
現代では医学も進んでいますので、精子がある程度元気であれば、タイミング法や人工授精、体外受精、顕微鏡受精などの不妊治療によっても妊娠は可能ですので、あまり怖がらないで下さいね。何はともあれ、病院へ行って不妊検査、不妊治療を頑張りましょう!
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