不妊検査について
病院で受ける一般的な男性の不妊検査について解説してみました。受精・妊娠を妨げる男性不妊症の多くは精子に関するものなので、当然ながら精子にかかわる検査が多くなってきます。
性器の不妊検査
男性自身に外傷や奇形となっている部分が無いか、また、前立腺に異常があって不妊となっていないかを診察します。
精液の不妊検査
これは基本的な不妊検査で、精液の量や精子の数などを調べます。調べる内容としては、射精した精液の量や1mlあたりの精子の数、前記の二つから計算される精子の総数などのほかに、精子の運動率や精子の奇形率などもみます。
正常な精液 (WHOの基準)
精液量 : 2,0ml以上
精子濃度: 2000万個以上/ml
精子数 : 4000万個以上
奇形率 : 70%未満
白血球 : 100万個未満/ml
運動率 : 射精1時間以内の50%以上が前進運動、または25%以上が高速直進運動
ホルモン値を調べる不妊検査
病院で採血して不妊検査を行います。これにより精子形成に関係するFSHやLH、テストステロン、プロラクチンといったホルモンの値を調べます。
尿中精子を調べる不妊検査
これは膀胱に精子が逆流していないかどうかを調べるもので、おもに無精液症や精液減少症による不妊の方を対象に行われます。検査方法としては、まず射精をしてもらい、その後に尿を採って精子がいるかを調べます。精子数が多い場合には、逆行性射精という不妊症の可能性があります。
不妊症の精密検査について
上記のような基本検査で異常が発見された場合には、不妊の原因を特定して治療するために、さらに詳しい精密検査を行います。
精巣組織の不妊検査
これは精子がいるかを調べる不妊検査で、その方法としては、精管の周りに麻酔をかけて、さらに陰嚢の皮膚の上にも麻酔をします。そして、麻酔が効いた後に陰嚢を少しだけ切開して、はさみで精巣組織をごくわずか採取して調べるという検査です。これにより、精巣の中に精子がいるかどうかが分かります。
精子生存性を調べる不妊検査
精液検査を実施して、精液の中に動いていない精子が多数認められる場合に行う検査です。これによって、精子が生きているのか死んでいるのかを判別することができ、その後の不妊治療に役立てます。
精子尾部を調べる不妊検査
精子の運動をつかさどっている精子の尾部の構造に異常がないかを調べる不妊検査です。精子生存性検査をした結果、ちゃんと精子は生きているけれど、それでも動いていない精子が多い場合などに行います。精子は尾部という部分で運動を行うので、その尾部の構造に異常があると運動率が悪くなったり、動けなくなってしまいます。
精液培養による不妊検査
精液中に白血球が多く認められる時に行う不妊検査です。精液中に白血球が多い場合には、なんらかの病原菌やウイルスなどが進入している可能性がありますので、性感染症(クラミジアなど)や大腸菌などの細菌がいないかを調べます。検出された場合は、抗菌剤や抗生物質などを投与して治療します。
精管精嚢造影による不妊検査
無精子症だけれども逆行性射精ではなく、しかも、精巣生検でも精子がたくさん作られているといった場合には、精子の通り道に問題がある可能性が高くなってきます。そのような場合に、精子の通り道を調べる目的でこの不妊検査を行います。検査方法としては、陰嚢上部を少しだけ切開して精管を外に出し、造影剤を注入してレントゲンで撮影して精路の通過性を調べます。
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