高プロラクチン血症と不妊
プロラクチンとは、脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンで、母乳を生産したり、月経や排卵を抑える働きがあります。そして、このプロラクチンは、赤ちゃんを出産した後の授乳期間中に濃度が上りますので、今いる赤ちゃんの授乳期間中は妊娠しないようになります。
このプロラクチンが、授乳期間が過ぎても濃度が下がらなかったり、必要も無いのに多く分泌される状態を高プロラクチン血症と呼びます。高プロラクチンの状態ですと、受精卵が子宮内膜に着床しにくく妊娠の障害となってしまいます。
薬の服用による高プロラクチン血症
ピルや胃潰瘍、抗うつ剤や降圧剤などの薬を長期間服用しているために、体内のホルモンバランスが乱れて高プロラクチン血症となっている状態です。
● 治療について
薬の服用が原因なので、薬をやめれば元に戻ります。また、治療上の理由でやめられない場合には、薬の量を減らしたりプロラクチンを減らす薬を処方します。
下垂体腫瘍による高プロラクチン血症
脳の下垂体に腫瘍ができてホルモンバランスが乱れ、高プロラクチン血症になっている状態です。また、この下垂体は腫瘍ができやすい器官なのですが、多くの場合が良性の腫瘍です。ただ、腫瘍の位置が悪かったり、体内のホルモンバランスを乱している場合には、高プロラクチン血症となって妊娠の障害となる可能性があります。
また、腫瘍である下垂体腺腫には、ホルモンを生産するタイプと、生産しないタイプがあります。このホルモンを生産する下垂体腺腫ができて、しかも、プロラクチンを生産してしまうとプロラクチン濃度があがって妊娠しづらくなってしまいます。
● 投薬による治療
ブロモクリプチンを使用することが多いです。この薬の特徴としては、プロラクチンを低下させるだけでなく、腫瘍を小さくする働きがあります。ただ、この薬の服用だけで腫瘍を無くすことは出来ないため、薬の服用をやめるとプロラクチン濃度が戻ってしまう場合があります。また、薬の服用が長期に及ぶと、腫瘍が硬くなってしまう場合があります。
● 手術での治療
腫瘍を直接除去します。腫瘍が薬に耐性を持っている場合に有効です。また、手術療法ですと一回で完治する可能性もあります。もし、手術で完治しなくても、その後の薬物療法に移った場合の薬量を減らすことができます。
● 放射線を使った治療
腫瘍に放射線をあてて小さくする治療法で、ガンマナイフを使った治療などがあります。この治療法の特徴としては、治療期間が短いという利点がありますが、そのかわり治療の効果が出るまでに時間がかかってしまうのが難点です。
原因不明の高プロラクチン血症
高プロラクチン血症は体質によるものもあり、普段のプロラクチン値は正常なのに、夜間やストレスが溜まったとき、黄体期の時期だけプロラクチン値が高くなって妊娠しづらくなっている方もいます。
● 原因不明の場合の治療
腫瘍もなく原因不明な場合には、おもに薬を使ってプロラクチンを抑えます。
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